☆ようこそって言ってます☆
最も危険な昆虫の一つ、スズメバチ。強い毒と高い運動能力を持ち、
多くの昆虫を餌として生活しています。今回はそんな彼らの食事事情に分け入ってみましょう。
スズメバチのスペック
☆なんでも砕いてしまいそうです☆
スズメバチの食事事情を考えるには、彼らがもつ強さの秘密を知る必要があります。
まず注目すべきは大きなアゴ。見た見はペンチの様であり、噛む強さは凄まじいものがあります。
エサの獲得には毒針ではなく、主にこの大アゴが使われます。
また高い機動力を誇り、一日に100キロ以上を移動します。
この高い運動性には、後に紹介する彼らの超高栄養化の食事が関係しています。
狩りは誰のため??
☆休憩なう。って感じですかね☆
スズメバチの成虫は捉えた昆虫をその場で食べることはしません。では、餌は誰の為なのでしょうか?
少し彼らを観察してみます。今一匹のスズメバチが外でとった餌を抱えて巣に帰りました。
巣の中を覗くと、幼虫が壁をガリガリと擦り餌をねだっています。
そこへ成虫が近づきます。おやおや?餌を全てあげてしまいました。。
餌をとってきたのは全て幼虫の為みたいですね。
因みにですが、この幼虫のガリガリ、結構な迫力があります。
餌をねだる燕(つばめ)の子供によく例えられ、親にアピールしているのがはっきりと分かります。
ちょっとグロテスクですが、スズメバチが幼虫にエサをあげる様子を見ることが出来ます。
スズメバチの成虫は幼虫にエサを与えるために、狩りをしているのです!
成虫は何を食べているの??
☆スズメバチの巣です☆
エサを全てあげてしまった親スズメバチ。自分は何を食べているのでしょう。観察を続けてみます。
エサをもらった幼虫が、お返しに何か透明な液体を渡しています。
成虫がそれを舐めました。そうです!この液体こそが成虫の餌です。
この液体は幼虫の唾液で唾液腺と呼ばれています!
唾液腺は栄養バランスに非常に優れており、成虫の爆発的な運動力を実現しています。
因みにこの栄養、スズメバチアミノ酸は人間にも非常に有用で、一部のスポーツドリンクなどに配合されています。
どうして幼虫からもらっているの?
☆激烈なくびれです☆
なぜ成虫は餌を幼虫に頼っているのでしょうか?実は、スズメバチの体格に原因があります。
成虫の体は胸の部分が大きくくびれています。これは毒針の可動域を最大限に確保する為なのですが、
同時に胸を通る消化管を出来る限り細くする必要がありました。
結果、固形食が通る余裕はなくなり、幼虫が作る流動食に依存するようになったのです。
生き残りの為に分業体制を確立した。と言えるでしょう。
まとめ
凄まじい運動能力を誇るスズメバチ。その食生活は幼虫に依存する、少し意外なものでした。
彼らがもつ強さの秘密は、親子の絆なのかもしれません。
今回のポイントは3つです。
ポイント
①スズメバチの成虫はエサを幼虫のために持ってきている!
②幼虫はスズメバチの成虫に唾液腺をあげている!
③スズメバチの毒針の可動域を維持するために体がくびれている!
次回もASAPアニマルニュースをお楽しみに!