☆かわいい顔をしています☆
世界の昆虫種は約100万。その中に臭いに特化した昆虫がいます。そう、今回はカメムシのお話です。彼らは臭さをストイックに追求し、それはもはや自らをノックアウトするほどの完成度です。そんな芳しきカメムシの世界へ、一緒に足を踏み入れてみましょう。
カメムシの世界
☆集合なう☆
臭いの話に入る前に、カメムシの生態を整理しておきましょう。カメムシの名は、彼らの姿が動物の亀に似ていることからきています。なので、漢字で表すと亀虫となります。カメムシは世界で2500種類が知られ、そのほとんどが草の汁を餌にしています。一部のカメムシは他種の体液を吸いますが、両者とも写真のカメムシの様に身を寄せ合って集団で越冬することが多いようです。
臭いを放つ、その理由
前知識を学んだところで、いよいよ彼らの臭気に移ります。あの激臭はどういった意味をもっているのでしょうか。それはどうも二つあるようです。。
敵から身を守る為。というのが一つの理由です。シンプルに、あれだけ臭い生物を食べものと認識するのは困難と思われます。
もう一つは仲間に危険を知らせる為です。一匹のカメムシが危険を察知して臭いを放出すると、周りのカメムシは一斉に逃げ出します。あの臭いは仲間を守る、優しい香りでもあるようです。
香りの作り方
二つの用途がある彼らの香り。一体どのような成分でできているのでしょうか。主成分はトランス-2-へキセナール。別名、青葉アルデヒドです。カメムシが食す野菜等に多く含まれており、独特な青臭さをもたらしています。これを備蓄嚢と呼ばれる組織に蓄えておき、必要に応じて足の付け根より放出します。動く激臭といったところでしょうか。
強烈な臭いは諸刃の剣
先ほどの青葉アルデヒド、これには強い毒性があり、外敵を退けるのに非常に有用です。しかし、カメムシもまた青葉アルデヒドへの耐性を持っていません。閉鎖された空間で臭いを発すると、自らの臭いでカメムシは失神します。周りに仲間がいるとさらに事態は悲劇的になります。想像してみましょう。今、仲間カメムシの危険信号、臭いを受け取り、一匹のカメムシが逃げると同時に臭いを発しました。別の仲間がそれを受け取り臭いを発し。。となり、逃げ遅れたカメムシ全員が失神してしまうのです。
まとめ
身近なものの中で、最も臭いと言っても過言ではないカメムシ。特異な進化で環境に適応してきた彼らですが、その臭いは思わぬ弱点にもなったようです。そんな少しコミカルな彼らを、応援したくはなりませんか?