ASAPアニマルニュースです。
皆さんもよくご存知のイルカ、かわいいだけではなくて、頭の良い動物としても知られていますよね。
その高い知能から、水族館ではイルカショーに また、
『イルカセラピー』という自閉症や体に障害を持つ人の治療にもひと役かっています。
さて、人に癒しを与えてくれるイルカですがイルカ自身は癒されることがあるのでしょうか？
そもそも、イルカにストレスはあるのでしょうか？
特にイルカショーなどは厳しいストレスなどがありそうですよね！
水族館のイルカにスポットをあてて考えてみようと思います。
水族館のイルカはどんなストレスを受けるのか？
数年前から、水族館のイルカ展示に批判が高まってきました。
野生のイルカを捕まえて展示することはイルカにストレスを与えていると考えられるからです。
考えられるストレスの要因を挙げてみましょう。
①家族の群れから引き離されて飼育下の寄せ集めの群れでは社会的な生活ができない
②狭いコンクリート水槽では運動不足になりがちである
ちなみに、バンドウイルカはゆっくりでも時速５㎞から１１㎞のスピードで1日に約６５ｋｍ泳ぐのだそうです
③水槽の中には障害物が無く、餌も捕食するのではなく与えられるだけなので、エコロケーションが発揮できない
④水族館では人の往来や周囲の騒音がある
⑤ショーを強要される
ストレスがあるイルカはストランディング（陸に打ち上げられて
身動きが取れなくなるような動き）のような真似事をしたり、
プールの壁にぶつかるなどの自虐的な行動や反復行動をしたりします。
また、免疫力が低下して感染症にかかりやすくなります。
やはりショーの練習などは自然の中で生きる上では必要が無い事ですので
とてもストレスを感じるイルカもいるようです。
水族館のスタッフたちは、イルカたちのストレスや健康状態にも気を使って接しています。
水族館のイルカや動物園のアニマルのストレス発散の工夫
『環境エンリッチメント』って聞いたことありますか？
動物の福祉と健康を改善するために、刺激や変化が少ない飼育環境に
動物本来の行動を引き出せるような施設づくりや工夫をすることです。
水族館のイルカもそうですが、動物園のアニマルたちにも以下のような
ストレスを軽減する施策が行われています！
・餌の種類を増やしたり、与え方を工夫したりする
・異なる動物をひとつのエリアに配置する
・野生に似せた構成で群れを作る
・複雑なおもちゃを設置したり本格的な認知実験をしたりする
遊び好きなイルカの好奇心を満たすことや
本来の行動ができる環境を作ることがストレスの緩和につながるようですね。
水族館のイルカを癒す（発散する）方法
環境作りは大事ですが、それだけで水族館のイルカを癒す（発散する）ことができるのでしょうか？
イルカはとても頭のいいアニマルですので、
人とのコミュニケーションでもストレスを発散することがあります。
ですので、水族館のスタッフたちは日常的にイルカと遊んだり、
話しかけたりしてコミュニケーションを取っています。
人にとってもイルカにとっても一緒にいることが
楽しいと思える関係を築き上げることがお互いに良い結果を生むのですね。
また、『Applied Animal Behavior Science』という専門誌に掲載された研究に、
イルカの行動からイルカの感情を読み解く実験をしたところ、
イルカが一番楽しみにしているのは親しい人と触れ合うことだったそうです。
まとめ
今回のポイントは３点です。
①水族館のイルカもストレスを受ける！
②イルカをはじめその他のアニマルに対しても、ストレスを解消する措置を行っている！
③イルカは人と触れ合う事でストレスを解消することもある！
水族館のイルカには人との関わり合いがつきものです。
イルカ本来の生活が送れる環境作りも大切ですが、イルカと人との好意的な触れ合いを
築き上げて行くことが何よりもの癒しだと感じました。
次回もASAPアニマルニュースをお楽しみに！
