ASAPアニマルニュースです!
日本国民ならだれもが食べたことがあるイカ。
淡白な味と、プリプリした触感がどんなお料理とも合って、とっても美味しいですよね。
そんな身近な存在だからか、水族館でも「イカはどこにいるの?」なんて子供が親に聞いているのをよく見かけます。
でも、イカが生きている姿を生で見たことがあるという方は、どれくらいいるでしょうか?
海鮮料理屋の生け簀で泳がせているところは時々見ますが、
実は水族館でも一部以外は見ることが出来ないくらい、
イカを飼育しているところというのは意外と少ないのです。
そして、その秘密はイカの寿命にあったんです…。
今回は、そんなイカの寿命やイカの飼い方についてご紹介します。
イカの寿命は一年?意外と知らないイカの一生
タイトルにもあるように、実はほとんどのイカの寿命はなんと1年程度しかないんです。
どうやって分かったかというと、
イカには平衡石(体の傾きを認識する働きがある、人でいう耳石のようなもの)があり、
それを薄くスライスすると木の年輪のような同心円状の模様が現れます。
イカの場合は一日に線が一本(日輪)入るので、それを数えるとイカの寿命が分かります。
イカの平衡石を調べた結果、「寿命が約一年」ということが分かったんですね。
ちなみに、背骨を持たない無脊椎動物の中で最も体長が大きくなる
「ダイオウイカ」も2~3年程度と言われているんですよ。
イカの飼育がむずかしい訳
寿命が一年ということは、そのうちの1~2か月程度はまだ体も小さく、
大人のイカを見ることができる期間が少ないというのが、イカに会えない理由の一つです。
ただ、それ以外にも単純に「飼育が難しい」ということが、イカに会えない最大の理由なんです。
ココでは、イカの飼育が難しい訳を解説します。
①生きたエサが大好きすぎる
一昔前は、「生きたエサしか食べない」といわれていたくらい、死んで動かないエサにはあまり反応しません。。
イカを釣るときに、エビに似せたルアーを激しく動かす「しゃくり」を行うのは、
ルアーを動かしてイカに生きてると思わせるためだったんですね。
水族館で飼育するときも、生きたエサ(エビやイワシなどの小魚)を使用するか、
死んだエサも最初は動かして与えるなど、死んだエサに慣らすためのトレーニングをしてエサをあげています。
生きたエサの入手が大変だったり、死んだエサに慣らすトレーニングに手間がかかったり
(しかも、個体によっては慣れないこともある)、イカの飼育は大変なんです。
②めっちゃ食べる
年で数ミリの大きさから、40~50㎝にまで成長するんですから、イカはとても大食漢です。
毎日自分の半分位の大きさのエサをあげても、もりもり食べます。
加えて、エサをしっかりあげないと共食いを始めるため、
毎日お腹いっぱいまでエサをあげないといけないんです…!
前述したとおり、エサの入手やエサやりに手間がかかることも踏まえると、頭が痛い問題ですよね。
③よく泳いで、よくぶつかる
食卓でおなじみのスルメイカやヤリイカは、自然界ではやや沖合の広い海の中を群れになって泳ぎます。
常に泳いでいます。そして、敵に襲われると水をジェット噴射してロケットのように泳いで逃げます。
つまり、狭い水槽では、よく泳ぐがために壁にぶつかってボロボロに擦れてしまうんですね。
もともと体が柔らかい生き物なというのもあり、ぶつかるとすぐに傷ついて弱ってしまいます。
イカの飼育には、かなり大きい水槽が必要になるんですよ。
イカがどうしても飼いたい…。家でも飼えるイカは?
「イカの飼育が難しい」というお話をしてきましたが、
それでもどうしても飼いたいというあなたに、家でも飼えるイカの飼い方を解説します!
飼育しやすいイカ
スルメイカなどの良く泳ぐイカは飼育も難しいですが、
イカの中でもコウイカの仲間はぷかぷか浮遊するように
ゆっくりと泳ぐため、小さめの水槽でも飼育は可能です。
家におけるサイズとして、60㎝の水槽を想定すると、
10センチ程度の小型のコウイカの仲間であれば、充分飼育はできますよ。
特におススメするのは、ハナイカという温暖な海にすむ10㎝ほどの美しいイカで、
濃い茶色の体に、黄色や紫、赤などの鮮やかな模様が入ります。
2本の腕をちょこちょこ動かして、砂の上を歩くように進む姿は、「可愛いすぎる」の一言に尽きます。
観賞用としても人気があり、たまにショップでも売られているので、入手がし易いのもポイントですね。
飼育ポイント(60㎝水槽でハナイカを飼育する場合)
・水槽のセッティングは普通の海水魚と同じで大丈夫です。(水温20~24℃)
・多数飼いすると共食いの恐れがあるため、1~3匹ほどで飼育してください。
・エサは2~3㎝ほどの生きたエビや小魚を1日2~3匹水槽に入れます。
・基本的に臆病なので、岩で隠れ家を作ると良いです。
基本的には普通の魚を飼育するのと同じ感覚ですが、
生きたエサの入手や管理が若干手間になります。
生きたエサはショップで買うか、海で採集してきて、イカとは別の水槽で蓄養しましょう。
まとめ
・イカの寿命は約1年、ダイオウイカでも2~3年程度。
・生きたエサや大きい水槽が必要なため、イカの飼育は難しい。
・家で飼うには、小型のコウイカがおススメ。
でも、手間はかかるため覚悟は必要。
次回もASAPアニマルニュースをお楽しみに!