ASAPアニマルニュースです!
いきなりですが、皆様はアキアカネをご存知でしょうか?
いわゆる赤とんぼのことなのですが、実は彼ら、
季節に合わせてとんでもない距離を移動するのです。
なぜ季節によって移動するのか、気になりますね。
またその移動能力を支える食事とは
どのようなものなのかも気になります。
という訳で、この密かなポテンシャルを
秘めたアキアカネを調べてまいりました。ご紹介致しましょう!
アキアカネのプロフィール
今回ご紹介致しますアキアカネは
どのようなトンボなのでしょうか?
基本情報を押さえておきましょう。
アキアカネの生息地は、沖縄県と小笠原諸島を除く日本全域。
生息地は先にご説明したよう季節によって変わり、
春と秋は平地、夏は高地で観察されます。
体長はオス32-46mm、メスは33-45mm辺りに収まり、
卵と幼虫(ヤゴ)期間は合わせて半年ほどです。
加えて、アキアカネには近縁種がおり、
朝鮮半島には同じアカネ属に含まれる
タイリクアキアカネが生息しています。
このタイリクアキアカネは日本に飛来することが確認されており、
日本のアキアカネとの雑種がよく見つかるそうです。
因みに、アキアカネのヤゴは簡単に飼育可能です。
餌は下で紹介致しますので、ご参照下さい。
アキアカネは季節で住む場所を変える!?~春と秋~
ここまで何度か触れた通り、
アキアカネは季節によって長距離を移動し、
過ごす場所を変えています。
まずは春と秋、場所は平地の田んぼや湿地です。
春先に孵化したアキアカネは、
ヤゴ(幼虫)としての生活を開始します。
ヤゴは水中に住み成長しますが、その期間は3か月ほどです。
そして初夏の頃、彼らは成虫となり移動への準備を始めます。
ただし、出発までの時間はほとんどなく、実に5-6日ほど。
準備が整うとアキアカネは群れをつくり、平地を離れます。
目指すははるかかなたの山岳地帯。
そこで夏を過ごしたアキアカネは、
秋の10月頃に平地へ戻り卵を産みます。
ちなみに、この時には移動距離が100キロに
達していることも珍しくはないそうで、
アキアカネにご苦労様と声をかけたくなりますね。
という訳で、平地においては成長と産卵がメインとなるようです。
アキアカネは季節で住む場所を変える~夏~
季節は夏、アキアカネを暑さ避ける為に移動を開始します。
なぜなら、彼らは平地の気温に耐えられないから。といいますのも、
アキアカネの体は低温に耐えられるよう進化しており、
体内の熱が外に逃げにくくなっているのです。
よって、活動を始めると体温が急上昇。
通常の状態に比べ10-15℃も熱を持つこととなり、
30℃を超える平地は危険すぎます。
よって移動の目的地は標高の高い所であり、
それはなんと3000メートルを超える場合があるそうです。
この高山にて、アキアカネが行うのが体づくり。
産卵に向けて内部組織を発達させ、
戻るころには体重が2-3倍になっています。
ちなみに、この増量は体の水分などが組織に置き換わる為なので
体の大きさには変化がありません。
避暑地にて体づくりとはトンボの話とは思えませんね。
アキアカネの餌はなに??
一生のうちに極端までの距離を移動するアキアカネ。
彼らを支える食事とはどのようなものなのでしょうか?
まずはヤゴの食事を見てみましょう。
ヤゴの餌はミジンコ等の水生昆虫であり、
一般的なトンボとあまり変わりません。
しかし、他のトンボと違い、成虫までの期間がたったの3か月。
よって、このヤゴは餌を食べまくります。
飼育する際は、釣り用の赤虫などを十分に与えましょう。
続いて成虫の餌です。こちらも他のトンボと大差なく、
ハエや蚊、稲につくウンカなどです。
ただし、ここでもアキアカネは食べまくります。
アキアカネは羽化後4-5日で高所へ出発しなければならず、
その間に100キロの移動に耐えるエネルギーを
蓄えなくてはならないからです。
という訳で、食事は質より量。
そうアキアカネは考えているのかもしれません。
まとめ
赤とんぼとして親しまれるアキアカネ。
日本では多くの地域でみられ、外国にも近縁種が存在します。
彼らは季節に応じて信じられない程の長距離を移動し、
夏の酷暑を乗り切る術としました。
そして食事においても工夫がみられ、
それはなんと食べまくるというものでした。
さらになんとアキアカネは飼育可能だったのです!
自然の神秘を知る為に、アキアカネのヤゴはいかがでしょうか?
・アキアカネを観察!産卵の様子を見てみよう!