セミの鳴き声って大きすぎない？？
ASAPアニマルニュースです！
生き物には不思議がいっぱい！その中でも、セミの鳴き声は特に謎だと思いませんか？？
とりあえず音量が大きすぎないでしょうか？(笑)
でもどうやってあそこまで大きな声を出しているのでしょう？
セミの体を調べましたので、ご報告いたします！
そもそもなんで鳴くの？？
爆音の秘密に迫る前に、セミが何故なくのか整理しておきましょう。
まず、鳴いているセミは全てオスです。オスは爆音をもってメスに求愛をし、
メスがやってくるのを待ちます。種類によって鳴き声が違うのはこの為です。
別種のメスを呼んでも仕方がないですからね。また大きい声のオスにメスはよく集まると言われています。
秘密は体の構造にあり？？
それではセミの体の中を覗いてみましょう。
特に腹部へ注目します！発声器官が集中しているのが分かりますね。それは、、、
超高速で振動する発音筋
発音筋肉の振動を音に変える、発音膜
作られた音を共鳴させる共鳴室
音を調整する腹弁
どうやら4つのからくりで、あのとんでもない音量を出しているようです。
さらに詳しく見てみましょう！
発音筋
オスのセミが鳴こうとする時、まず発音筋を震わせます。
この筋肉はセミの体中央にあり、腹部と背部を繋ぐ巨大なもの。
この発音筋は二本の筋肉で構成され、お腹側で繋がっています。
お腹表面に見える扇型の部分、後で紹介する腹弁辺りに接続部分があり、
背中へ向かって左右に伸びています。
そうです。あなたのイメージ通り、発音筋はV字型になています。
この筋肉を震わせるわけですが、皆様はこの振動が一秒間に何回であると思われますか？？
答えは脅威の秒間2万回。一般的なスマートフォンのバイブレーションが秒間160回ですから、
その凄まじさは明らかですね。
発音膜
発音筋までは音ではなく、ただの振動。これを音に変換するのが発音膜です。
どのように変換するのでしょうか？？まずは発音膜の特徴を見てみましょう。
この膜はお腹の側面に位置し、発音筋とダイレクトに繋がっています。
そして、数本のひだ持つのも大きな特徴です！
そのような構造を通して、振動を音へと変換します。
まず、発音筋の収縮により発音膜のひだが伸ばされます。
そのひだが折れた瞬間、パキッという音が発生。これが鳴き声の正体です。
さらに、伸ばされた発音膜はもとに戻ろうとする発音筋に押し戻されます。
すると、再度ひだが折れます。ここでも音が発生。発音膜は一往復で二回音を作り出す、優秀なものなのです！
共鳴室
先のように、発音膜で音が作られました。しかし、この音はまだまだ爆音とは言えません。
そうなる為には音を増幅させる共鳴室が必要です。
なんだか凄いものを予感させますが、実際はただの空洞。
つまり、オスは腹部に、その殆どを占める巨大な空間を持っているという訳です。
ここで発音膜が作った音を共鳴させ拡大。爆音の完成です。
ところで、共鳴室はどのくらいの大きさなのでしょうか？？
それを検証する為、小型のセミを太陽に照らしてみましょう。
この時おなかに注目！太陽が透けているのがわかるはずです！
共鳴室の大きさがよく分かりますね。
因みに、共鳴室はセミの気管が進化し、拡大したもの。
喉を発達させて音を出すようになったのです。なんだか人間に似ていると思いませんか？？
腹弁
ここまでで音量の秘密が明らかになりました。
しかし、私たちがセミの鳴き声を大きいと思うのは、
彼らがメロディを奏でているからではないでしょうか？最後に音階を作る秘密も見てきましょう。
音階ってなに？って感じなので、鳴いているツクツクボウシを想像してみます。
音量の高低だけでなく、音色も変化していませんか？筋肉を収縮させているだけなのに不思議です。
その音階を作っているのが先に触れた腹弁です。
お腹表面から観察でき、扇形をしています。クマゼミだと鮮やかなオレンジ色をしていますよ。
実はこの腹弁は共鳴室に繋がっていて、パカパカ開閉します。
つまり、お見事な音階は共鳴室の蓋を開け閉めして作っているという訳です。
まとめ
如何でしたか？？セミの鳴き声が大きすぎる！そんな思いからこの記事は始まりました。気になり調べてみると、、
発音筋
発音膜
共鳴室
腹弁
という四段階のからくりを発見しました。音量を上げる為、体を極端に進化させたセミたち。
こんど出会った時は、じっくり鳴き声を聴いてあげるのも悪くないかと思います！
次回もASAPアニマルニュースをお楽しみに！
・ツクツクボウシの鳴き声を紹介！知ってる人も知らない人も是非ご覧あれ！
