ASAPアニマルニュースです!
水族館で水槽を見るときはついつい
動く生き物に目がいきがち。
特に某映画でもおなじみの
カクレクマノミなどのクマノミの仲間たちは、
その人気の高さから飼育していない
水族館はないのでは?と思うほどです。
さて、クマノミといえば
イソギンチャクとの共生が有名ですよね。
自然界では、イソギンチャクに入らずにいるクマノミは
見つかっていないことから、
イソギンチャクから出たら
生きていけない(食べられてしまう)と考えられています。
つまり、クマノミとイソギンチャクは
切っても切れない関係なんです!
今回はそんなイソギンチャクの中でも、
カクレクマノミの相棒として人気上昇中の
ハタゴイソギンチャクの飼い方について紹介しますね。
ハタゴイソギンチャクとは?
分類学的には、刺胞動物門花虫綱六放サンゴ亜綱
イソギンチャク目ハタゴイソギンチャク科に属しています。
イソギンチャクは「刺胞」と呼ばれる、
毒針を内包した細胞を持っており、
触れると毒針が刺さって大変痛い思いをします…。
特にハタゴイソギンチャク(以下、ハタゴ)は、
イソギンチャクの中でも毒性が強めで、
かつ触手の粘着力も強いので、
手にくっつくと痛いわ取れないわで
泣きそうになりますよ。(経験者談)
ハタゴイソギンチャクは、自然界では亜熱帯~熱帯の
海の浅く流れの緩やかな内湾の岩と砂のある場所に
ぽつぽつと咲いています。
触手は短くフワフワした感じで、
立体的に波打っているような見た目から、
通称カーペットアネモネとも呼ばれているんです。
基本的には、やや暗い白色~黄土色をしていますが、
蛍光グリーンや蛍光ブルーなど、
カラーバリエーションが豊富なことも人気に一役買っています。
ハタゴイソギンチャクの飼育のポイント
ココからは、ハタゴイソギンチャクの
飼育のポイントを5段階に分けて詳しく説明します。
①購入
ハタゴイソギンチャクはカクレクマノミの
住みかとしても需要があるため、
色を選ばなければショップでの取り扱いは多い種類です。
イソギンチャクを飼う上で、
この購入時の状態の見極めがかなり重要なので、
実際にお店に行って出来るだけ元気な個体を
選定して購入することをおすすめしますよ。
元気な個体の見極め方は、以下の通りです。
・触手や体に張りがある
・触手が密に生えている
・口が開いていない
・粘着力が強い
②水槽の準備
水槽は基本的には魚を飼育するときと
同じようにセッティングしてください。(水温は23~25℃)
ハタゴイソギンチャクは砂の中の
岩やサンゴ片にくっつくので、砂の岩のレイアウトは必須です。
水槽の大きさについては、
イソギンチャクは水質の悪化にやや敏感なため、
初心者の方はとくに水質が
安定する大きめの水槽(60㎝以上)が良いですよ。
他には、蛍光灯かできればメタルハライドランプ(白色)を
つけてあげてください。…というのも、
ハタゴイソギンチャクは褐虫藻と共生しており、
光がないと褐虫藻が逃げて白化の原因にもなってしまいます。
また、水槽のセットで注意しなければいけないのが
「フィルターやオーバーフローの吸い込み口」です。
ハタゴイソギンチャクは、あまり移動しないタイプではありますが、
移動した際にフィルターに吸い込まれてしまうことがあります。
フィルターの吸い込み口にスポンジを巻くなど、
吸い込まれないように処置してあげてくださいね。
③水槽にイソギンチャクを入れる
ショップで買ってきたイソギンチャクは、
入れてあげる水槽の水で「水合わせ」を行います。
前述したとおり水質の変化に弱いため、
ゆっくり慎重に扱ってあげて下さいね。
水合わせの方法は、まず袋の海水ごとバケツなどの
容器にイソギンチャクを入れます。
次に、バケツに飼育水槽の水を少量ずつゆっくりと入れてかき混ぜていきます。
細いエアーチューブなどでサイフォンをかけて入れても良いでしょう。
最後に、バケツの中のイソギンチャクだけ容器で掬って、
飼育水槽に優しく入れてあげて下さい。
このとき、バケツの中の水は輸送時に質が悪化した水も入っているので、
飼育水槽には入れないように気を付けてくださいね。
④餌やりについて
水槽に入りたての時は、擦れを直したり体調を整えたりに
集中させたいので、エサはあげないでください。
褐虫藻からも栄養をもらっているので、
光さえ当てていればエサはそこまで必要ないので、
慌ててあげなくても大丈夫ですよ。
クマノミなどの同居生物がいる場合は、
生き物にエサをあげておこぼれちょっと食べればよい位です。
運が良ければ、クマノミがエサを口に咥えて、
イソギンチャクに渡しに行く様子が見られるかもしれませんよ!
⑤飼育観察
水槽に入れた後は、毎日しっかり観察して、
不調の兆候が見られないかチェックしましょう。
張りがなくなる、口が開くなどの不調が見られる場合は、
以下のことが原因として考えられます。
・水質の悪化(換水不足、ろ過能力不足)
・水温の変化(23~25℃になっていない、特に27℃以上の高水温に注意)
・同居生物につつかれたりしている
・照明の光量不足
原因を見極めて、換水したり、
同居生物を移動させたりなどの対応を行ってくださいね。
まとめ
・ハタゴイソギンチャクは
カクレクマノミの宿として人気がある!
・購入時の個体の元気さが重要!
・水質の変化(悪化)にやや敏感なので、
毎日状態をしっかりチェックする!
次回もASAPアニマルニュースをお楽しみに!