タマムシってどんなムシ??
突然ですが、皆様はタマムシという昆虫をご存知でしょうか?その大きさは30~40mm。
幼虫として2~3年を過ごし、7月後半に成虫となる夏の虫なのですが、びっくりするのがその美しさ。
日本のみならず海外でも“宝石のような甲虫”と言われ、もてはやされています。
つまりは美しさが規格外。これは気になりますね。タマムシに興味が湧いてきました。
タマムシの分布は?採り方は?美しさの理由は?装飾品にもなる!?
調べてまいりましたので、ご報告いたします。
どこに住んでいる??
昆虫とは思えない程の美しさをもつタマムシ。彼らはどこに住んでいるのでしょう??
その分布は北海道を除く日本全域。平地から低山地でよく見られます。
これは思ったよりも広いのではないでしょうか。しかし、この条件だけでは不十分です。
なぜならタマムシは餌のある場所にしか住めないから。
これは当然なことですが、重要なポイントと思われます。
ではタマムシは何を食べているのでしょう??それはエノキやケヤキ・サクラだと言われており、
成虫はその葉っぱを食べ、幼虫は朽ちた幹の部分をエサとします。
どうでしょう、住んでいる場所がイメージできましたか??
捕まえ方は??
ここまでで、タマムシの住んでいる場所が見えてきました。
しかし、採集しようとするならタマムシの生息範囲をさらに絞る必要があります。
先ほど、タマムシの住んでいる木には朽ちているものと生きているものがあると少しだけ触れました。
それでは、まずは生きている木でタマムシを探しましょう。
生きている木には、その新鮮な葉っぱを求めてタマムシが集まります。
ですので木の上の方、葉っぱが密集しているところに注目しましょう。
しばらく待っているとタマムシが飛んでくるかもしれません。
やってきたら長めの捕虫網で捉えます。続いては朽ちた木を探しましょう。
産卵を控えたメスがくっついているかもしれません。
材置き場など、木が集められている場所があるといい感じです。それでは採集の成功を祈ります!
タマムシは究極の美しさ!
冒頭にあるように、宝石と称されるほどに美しいのがこのタマムシ。
ここまで綺麗なのは何故なのでしょうか??
その美しさには当然他の理由があるのです。その一つが捕食者対策。
タマムシをよく観察すると角度によって色が変化することが分かります。
実は鳥などの昆虫を捕食する生き物の多くが、このように色が変わるものを苦手とするのです。
例えば、あなたは畑にCDが吊るされているのを見たことがありませんか??
CDもタマムシと同じように、見る角度で色が変わります。
やはり、タマムシがきれいなのは生き残りの為の戦略であるようですね。
タマムシは装飾品!?
生き残る為にピッカピカになったタマムシ。
綺麗さに命がかかっているのですから、人間が引き付けられるのも当然です。
さらに、それを見て楽しむだけではなく、
人は装飾品としてタマムシを利用してきました。
例えば国宝の玉虫厨子(たまむしのずし)。
これは法隆寺にある、飛鳥時代(7世紀頃)に作られた仏教工芸品です。
玉虫厨子はその完成度から名宝中の名宝と言われているのですが、
その細工の中にタマムシの翅が多く使われています。
しかし、残念ながら現在ではその翅の殆どが失われてしまっています。
ですが、玉虫厨子の復刻版が作られており、
それからは当時の美しさを伺い知ることができます。
そして、このようにタマムシを装飾品として利用してきたのは日本だけではありません。
他の多くの国においてもタマムシは装飾品として使われています。
タマムシの美しさは宝石レベル。そう言えそうですね。
まとめ
日本各地でみられるタマムシ。
エノキ、サクラ、ケヤキなどに集まり、採集はそこまで難しくないと言われます。
このように身近な存在なのにも関わらず、彼らの生存戦略は意外なもの。
美しさを極めるというものでした。そしてその美しさは私たちを強く惹きつけており、
タマムシは様々な国々で装飾品として利用され続けています。
そんなタマムシを探しに、近くの林へ散歩に出かけませんか?
タマムシを採ってみよう!
※タマムシのキラキラには諸説あります。